学校から出せれた宿題を、ただ漫然と解いて提出するだけだと勉強の効果がない。公立高校狙いの中学生なら、ただ何となく解くだけでもある程度の実力はつく。しかし、鶴丸、甲南、難関私立を目指すとなると、勉強が不十分だ。
さらに、どこに進学するにせよ高校生になると、学習量が増え、学習内容の難易度が上がるため、目的意識をもたずに宿題を解いても、知識は定着しないし内容も理解できないだろう。
なぜ目的意識が必要なのか?
ただ漫然と宿題をするのは、野球のスイングで言えば、「ボールのコースをイメージしない、かつフォームも確認しない」状態で、ほんとにただブンブンとバットを振っているようなものだ。そんなのスイングの練習と言えるだろうか?
学校の宿題を解くときは、「この用語、解法を何が何でも覚えてやる」という意識をもって勉強することが大事だ。「ただ何となく宿題を解いて提出しているだけで、まずまずの成績がとれている」中学生も、油断せずに目的意識をもって宿題に取り組んでほしい。どんな高校に進学しようが、大学受験を考えているのなら、どのみち目的意識をもって勉強しないとついていけなくなる。中学生のうちから、勉強のやり方を修正したほうがいい。
中学生の宿題
中学生の宿題を野球のスイングにたとえると、「ほら、投げるぞ、しっかり打てよ」と目の前に放り投げられたボールを打つようなものだ。とりあえずボールをバットに当てるだけだから、カキーン、カキーンとボールが飛んでいくのは楽しいだろう。中学校の定期テスト、公立高校入試の勉強はこのような感じだ。ゆるく練習してもなんとかなる。ただし、公立高校入試といえど、さすがに鶴丸、甲南を目指すならもう少し負荷のかかる勉強が必要だと思う。
高校生の宿題
高校生の宿題を野球のスイングにたとえると、高速のボールを打つようなものだ。ただ適当にバットを振るだけでは絶対に上達しない。そんなことは野球の素人でもわかる。
ボールのコースを見極める動体視力、ボールを遠くに飛ばすためにスイングのフォームの修正、さらに肉体づくりも必要となる。たった1日でできることではない。毎日コツコツと計画に沿った練習をして、修正を重ねることで上達していく。
野球ならまぐれでヒットくらいなら打てるだろうが、勉強ではそのようなことはない。わけのわからないまま、宿題を解いて提出しても、結果に結びつかない。テストのたびに「ちゃんと宿題やったのに・・・。」とがっかりするだけだ。
「そんなこと言われても目的意識をもつってどういうこと?」と思う人もいるだろう。目的を持った勉強のためのポイントは次のとおりだ。
目的意識を持って取り組むための3つのポイント
志望校を明確にする
まず、自分の目標となる志望校を決めることが重要だ。志望校を決めることで、「どれくらいのレベルまで自分の学力を引き上げる必要があるか」がはっきりする。もし志望校がまだ決まっていないのであれば、少しでも興味のある学校を調べてみよう。現在のレベルに関わらず自分が行きたいところにする。勉強するモチベーションがもてる。志望校を具体的に持つことで、日々の勉強がその目標に向けたプロセスであると感じられるようになり、学習意欲も高まる。
- 勉強のモチベーションが向上する
- 必要な学力レベルが見え、勉強計画が立てやすくなる
- 志望校の傾向や入試問題に合わせた学習ができる
解法パターンを把握する
特に理数系科目においては、問題を解くための解法パターンをしっかり理解し、定着させることが大切だ。たとえば「青チャート」や「Focus Gold」などの参考書には、受験に必要な典型的な解法パターンが集約されている。
青チャートやFocusGoldのように解法パターンをまとめた問題集があるのだから、宿題はこれらから出せばいいのにと個人的には思う。しかし、宿題プリントを提出しないといけない人もいると思う。そんな人は、宿題プリントと同じパターンの問題を、チャート式などから探して、それらを復習する。当塾ではそのサポートもしている。
- さまざまな問題に応用が効く
- 時間をかけずに問題を解けるようになる
- 本番で焦らず解法を思い出せるようになる
繰り返しの復習で解法を定着させる
一度解いた問題で満足せず、同じ解法パターンを何度も復習することが成績向上のカギだ。特に受験においては、時間制限がある中で確実に問題を解くことが求められる。例えば「Focus Gold」のような問題集は分厚く、例題全てをこなすのは大変だが、それくらいの学習量が合格に直結すると理解しておくべきだ。
「こんなにやらないといけないのか?」と思うかもしれないが、それは志望校に求められる学力に必要な勉強量だ。日々の勉強において「今月は三角関数の公式と解法をマスターする、その中で今週は・・・」といった具体的なテーマを持つことで、学習が計画的に進み、達成感も得られやすくなる。
- 同じ解法を定着させるため、一定期間を置いて何度も繰り返す
- 問題集で管理しやすく、進捗が見えるものを使う
- 具体的な目標を立てて進めることで、達成感を感じられる
まとめ
目的をもって勉強することは、知識の定着だけでなく、問題を自分の力で解けるという自信にもつながる。また、宿題や課題においてもただ「終わらせるため」に解くのではなく、日々の学習目標に沿って目的意識を持って取り組むことで、学習効果が発揮される。
高校生になると、中学生以上に学習内容が高度になり、宿題をただこなすだけでは学力が上がりにくくなる。特に理系科目は基礎を理解したうえで応用できる力が求められるため、目的を持って反復練習することで初めて実力が養われる。これが大学受験ではさらに求められるため、早い段階で学習方法を見直すことが大切だ。
宿題や課題を漫然とこなすだけでは、特に難関校を目指すには不十分だ。目的意識を持ち、自分の目標に沿って日々の勉強に取り組むことで、効率よく知識を身に付けられる。目標を持ち、その達成に向けた学習習慣を今のうちから身につけよう。