高校の古文の宿題で「現代語訳せよ」というものがある。これを古典辞書を引きながら現代語訳している人もいるだろう。勉強をまじめにやるのはいいことだ。本人としても「勉強したぞ」という達成感があるはずだ。
しかし、この方法だと時間がかかる。他教科も勉強しないといけないので、古文ばかりに時間をかけていられない。また時間がかかるという問題だけではない。古文単語・古典文法を体系的に集中して学ぶことができないので知識が定着しにくい。
学校の授業をまじめに受けて、板書をノートに写すことで知識をまとめていればいい。けれども、サボってノートに書き写していなければ知識に穴ができる。そこを埋める作業をしないといけない。
まずは古文単語と古典文法を覚える
単語、品詞の活用型、助動詞の意味もろくに覚えていないなら、まずはこれらを覚えることからはじめる。こうした知識は2カ月もあれば7割くらいは覚えられる。
単語や活用をある程度知っていなければ、文節の切れ目がわかりにくい。なんとなく予想をつけて辞書をひくことになるが時間がかかる。そのうえ、現代語訳する力がついたかというとそうでもない。時間がかかっただけで、量が足りないのだから当然だ。
単語や文法の知識がついてきたら、辞書を引かなくても現代語訳ができるようになる。だから、単語と文法を覚えることを優先してほしい。
辞書を引くのは最後の手段
単語・文法をしっかり学習したあとだからこそ現代語訳をする意味がある。英語でもそうだが、はじめに単語・文法をしっかり学習しておけば、あとは文章を読むことが単語・文法の復習になる。読んでいる最中に知識を総動員しているからだ。
もちろん、文章中にあまり出てこない単語や文法をある。それらを完全に忘れてしまわないために、単語・文法を個別に復習する必要はある。
しかし、ほとんどの知識は新しい文章を読んでも十分復習できている。言語系(英語・古文・漢文)の勉強は、はじめは覚える作業ばかりで退屈だが、いったんついた知識はそう簡単に落ちない。
だからといって、まったく勉強しなくていいというわけではない。知識は使わないと徐々に忘れていく。長文を読んだりして勉強からはなれないようにする。
わからない単語が出てきたら、まずは単語帳で調べよう。辞書よりずっとコンパクトなので調べやすい。もし単語帳で調べることができたのなら、単語帳を習得していないということになる。だから、その単語はしっかり覚える。
単語帳で調べても見つからないときに辞書を使えばいい。