始める時期
過去問対策を始めるのに、早にすぎることはありません。高1で化学基礎、高2で化学を学習するので、高2から過去問研究しておけばいいと思います。
もちろん、問題集で基礎をがっちり固めていて、模試で毎回8割以上取れているなら、高3の秋以降でもいいでしょう。しかし、たいていの人は基礎固めができていないため、高3になっていざ過去問の勉強をはじめてもわからないところだらけです。
日頃から、受験を意識していれば、問題集で解法パターンを覚えることにも意味が見出せるので目的をもって勉強できます。目的もなく何となく問題を解いているだけだと、勉強した割には知識が定着しません。そういいう意味で過去問は早くから取り組むことをおすすめします。
学校の進度を無視して、問題集の全範囲を終えたとしても、過去問に取り組むまでにやはり時間がかかります。早く効果を試したいでしょうから、問題集である単元の学習をして3回以上復習したら、すぐにその単元の過去問をはじめるのがいいです。
問題集を終えて過去問を解いても、いきなり問題が全部解けません。それでかまいません。だからがっかりしないように。
同じ大問を3~5年分学習
大問ごとに数年分解くのがおすすめ。問題のパターンがつかみやすいです。また、パターンが同じだと復習するときも楽。
たとえ問題集を一通り学習していたとしても、模試で8割取れないなら、1年分をまとめて解くのではなく大問ごとに解くほうが弱点に気づきやすくなります。
知識が足りていないところは問題集にもどって補強します。全範囲をまんべんなく復習するよりも、範囲を限定すると知識が定着しやすいです。
1年分解くとなると抑えておくべき範囲が広くなります。もちろん、受験日までには全範囲をまんべんなく学習し穴がないようにすべきです。しかし、過去問にとりくみはじめた段階は全範囲の知識が定着していません。
だから、大問ごとにと学習することで、「解ける問題」、「解説を読めばわかる問題」、「解説を読んでもわからない問題」を明確にしていきます。そうやって、自分に足りない知識が何であるのかをはっきりさせます。
やることが明確になれば漠然とした焦燥感がなくなるので、よりいっそう勉強に集中できるでしょう。
ただし、日頃の模試で8割以上取れているなら1年分をまとめてやってもいいです。
付箋を貼って復習しやすくします。20,19,18の数字は年度、赤い付箋は第一問、青い付箋は第2問を意味します。
こうすることで、ページを開きやすくします。
「実務教育出版の分野別の過去問」もあるようです。付箋を貼るのが面倒ならそちらを使ってもいいでしょう。
過去問の解答は計算過程などが省略されているので、ノートやルーズリーフに自分なりにまとめます。その際、手順や図などを書き込んでおくと復習がはかどります。
過去問の解答に書き込んでもいいのですが、余白がせまいし字も小さいのでノートなどにまとめることをおすすめします。
問題集で基礎固め
模試で6割未満なら、過去問の解説を読んでも理解できないでしょうから、まずは問題集で基礎を固めます。当塾では暗記ドリルと化学基礎問題精講を使用します。これらについての使い方は下記の記事をご覧ください。
まずは化学用語に慣れろ『基礎からのジャンプアップノート(暗記ドリル)』
化学基礎問題精講
1冊まるまる終わらせて過去問に移るのではなく、特定の単元のみ学習して3回以上復習して、ある程度知識がついてきて、過去問の解説がわかるであろうレベルになったら、その単元の大問を学習します。
そのほうが復習が楽だし成長を実感できます。そのため問題集で基礎固めをしている段階で挫折することもありません。
過去問にスムーズに接続するために問題集を使っているのに、ここでばててしまっては本末転倒。
サッカーや野球などでいうなら、基礎体力をつけるためのボールに触らないトレーニングでばててしまうようなもの。
基礎固めはとても大切ですが、そればかりやっていると飽きます。基礎固めの効果を実感するためにも、単元ごとに基礎固め、過去問研究をするほうがいいです。
何度も復習
大問ごとに学習したことで、問題構成のパターンと解法パターンはつかめるようになります。ここで油断して復習を怠ってははいけません。問題集の学習と同じで、過去問は解きっぱなしにせずできるようになるまで何度も復習します。
しばらく使っていないとあっという間に知識は抜けていくものです。復習記録をつけて、1カ月に最低5回復習するつもりでいましょう。次回からは確実に解ける自信のある問題は1か月内に5回もしなくていいです。けれども、1か月後、2カ月後に見直してください。
これは過去問に限らず、日頃受けている模試についても言えます。正直、マーク模試をしっかり復習していれば過去問研究と同じくらいの効果はあると思います。だから、模試も解きっぱなしにせずしっかり復習しましょう。
また、知識が足りていないと感じた単元は、問題集で再度学習して知識をつめなおします。
「この分野の知識が足りていない」と自覚できるようになるためには、過去問研究をはじめる前に問題集で基礎固めをしておく必要があります。
ここをサボると過去問研究をしていくら復習しても身につきません。わるような、わからないような状態のままです。
知識がないのに欲張って、短い時間で学習を済まそうとしてもうまくいきません。ある程度基礎を固めたあとに、過去問研究して、また問題集で復習する。
このように過去問と問題集を交互に復習することでじわじわ実力がついてきます。
解説を読んでもわからないとき
上記のような学習をしていれば、共通テスト・センター試験過去問の解説を読んでも理解できない問題はないと思います。
それでも、わからない問題があれば放っておきます。
わからない問題は、問題集の知識が定着していないことが原因です。なので問題集と過去問の復習を続けているうちに理解できる問題が増えてきます。
理解できないからといって、そこで立ち止まって1時間も、あるいは何日もうんうん考え込む必要はないです。時間の無駄です。考える力もつきません。単なる知識不足です。
解説を読めば理解できる問題をさっさと覚えていくほうが時間もかからずにレベルが上がります。
「わからない問題を放っておくとモヤモヤしてすっきりしない。先に進もうにも気になってしょうがない」と思う気持ちはわかります。
しかし、時間は限られています。できることからやっていくべきです。仮に期限がなかったとしても、「わからないところで立ち止まる」なんてしていたら、いつまでたっても合格レベルの学力はつきません。
理解できないところはひとまず放置。はじめは気持ち悪いと思いますが慣れてきます。これができるようになると学習がはかどります。
[rakuten id=”book:20304588″ kw=”共通テスト過去問研究 化学/化学基礎 (2022年版 共通テスト赤本シリーズ) 教学社編集部”]